HSBC香港の口座に預金する最大のリスク

皆さん、おはようございます。香港の元民主派議員、許智峯氏が同氏の銀行口座をHSBCが凍結したと昨日のニュースでとりあげられましたね。ブルームバーグの記事になります。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-12-07/QKYIA0T0AFBF01

HSBCは巨大金融機関であり、与信も高く、破綻のリスクは非常に考えにくい海外銀行の1つです。万が一破綻したとしても、香港の銀行は50万香港ドル(約650万円)の保証もされます。しかしながら、HSBCに預金する最大のリスクは、今回のような中国共産党政府の指示による口座凍結です。この口座凍結は政府の指示が変わらない限り、解除できません。例えば今後米中戦争が進んでいき、アメリカ側についている国の国民の口座は全て凍結されたり、意図せずして資金のやりとりがあった人や企業が共産党に目をつけられたため、自分まで疑いをかけられ、口座凍結されてしまうといったことがないとは言い切れません。

ニュースにも記載されていますが、HSBCは香港国家安全維持法に署名しているため、同法に触れていると共産党が判断すれば、その指示に従わざるをえません。

こういったリスクを考えると、シンガポール支店などの別の国のHSBCや他の国の海外銀行に資金移動させるなど、いったん香港外にご自身の資金を移しておくのが、現状の得策かもしれません。これはHSBCに限らず、スタンダードチャータード銀行などの香港の全ての銀行に預金している方に共通するリスクだと言えます。