HSBCのいま⑨

英大手銀行のHSBCがスイスの従業員を110名削減、また富裕層顧客の資金が昨年約1150億円流出したと発表しました。

https://news.yahoo.co.jp/articles/8eb330c614a586010d673034cdc30659b696f5f0

HSBCはアメリカからのリテール事業撤退を発表しており、スイスでの事業縮小も行うとなるとますますアジアへの比重を高めてくるのではないかと思います。実際にHSBCはアジアでの業務拡大、特に富裕層向けサービスの拡充を行うとすでに発表しています。

現段階では香港を含む中国マーケットからの収益が8割を占めているため、リスク分散のためにもシンガポールやマレーシア、インドなど他のアジア諸国での営業活動に力を入れてくるのではないでしょうか。

もしそうなれば口座開設の審査基準が下がり、口座開設がしやすくなったり、日本人にも魅力的な金融サービスや商品を展開する可能性もあるので今後も注目していきたいと思います。

一方で中国での営業ができなくなったり、業務縮小を余儀なくされた場合は死活問題となるため、共産党政府の意向には従わざるを得ない状況ではないかと思います。実際に昨年は共産党政府の指示に従って香港の民主活動家の口座凍結を行い、英本国では厳しい批判を浴び、議会でも厳しい糾弾を受けました。

HSBC香港を利用している日本人も未だ数多くいますが、HSBC香港の預金はシンガポールやマレーシア、他のオフショアなどの他国に移しておくのが今は安全なのではないでしょうか。