香港とHSBCの情勢
香港のHSBCについて事業分割のニュースが先週取り上げられました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/31916359e9307be1dd37fd31b6623d82e07dda9e
中国の政府系保険会社である中国平安保険がHSBC香港の筆頭株主であり、その株主が事業分割をHSBCに要求しているようです。中国平安保険のような政府系企業が「もの言う株主」として、民間企業の経営に口を出すのは中国ならではの独特の文化ではないかと思います。
ましてHSBCは中国では外資系銀行になります。これでは多くの外国人預金者が不安に思って預金を他国に移してしまうのも頷けます。
10数年前のオフショアブームでは多くの日本人もHSBC香港に口座開設をしましたが、昨今の香港情勢によりこの2年で多くの方が預金をシンガポールやその他のオフショアに移したり、日本に戻しています。
香港返還時には50年間は1国2制度を適用する約束でしたが、25年でそれを形骸化させたことに対して先日、習近平国家主席はこれでよかったという発言をしたので、これにより香港からの資金移動はさらに加速するのではないでしょうか。
香港から他国への海外送金はまだできておりますが、年々厳しくなっています。中国本土からの送金は不可のケースが非常に増えてきています。
大事にならないうちに他国へ大事な資金は移しておくのがよいでしょう。またHSBCは2年以上、口座内資金に移動がないと口座凍結処置がされてしまい、動かしたいタイミングで資金移動ができないといったケースも多いので気をつけなければいけません。