HSBCのいま④

HSBCのCEOクイン氏が香港の元民主化議員の口座凍結をした件で、昨日の英国議会で証言をしました。BBCにもトップニュースの1つとして取り上げられています。

https://www.bbc.com/news/business-55817917

クイン氏のコメントの気になったところを抜粋してご紹介します。

「口座凍結をしただけで、資産を取り上げたわけではない、法律に則って対応をした。HSBCは彼だけでなく、多くの顧客の資金を預かっており、それをリスクにさらすことはできない。また香港情勢は非常に難しい状況で、香港から撤退しなければならない可能性も十分あり得るが、それについては断固ノーと言いたい。HSBCは香港に拠点をおいて155年になり、引き続きこの地に残る所存。HSBCが香港から撤退するのは、香港にとって大きなダメージになってしまうはずだ」

HSBCが香港から撤退というワードは、本気かどうかは別として今回初めて出てきました。ここから読み取れるのは、香港、中国でHSBCが引き続き営業をしていくのであれば、中国共産党政府の意向に絶対に従わないといけない。ところが英国の方針が反中国であり、またウイグル問題を筆頭に世論は中国の人権、民主主義問題に大きな反感を持っており、今回の元民主化議員の口座凍結は非常にネガティブに評価していることが予想されます。

また他の顧客の預金の安全性にも言及していることを考慮すると、共産党政府の意向に逆らえば、HSBCの預金全てが危ないと捉えることもできます。水面下での中国共産党政府の圧力は想像以上に厳しいのかもしれません。