AMLによる口座凍結

さて、今日はAML(Anti Money Launderring)についてのお話をしたいと思います。海外送金を利用した犯罪収益や脱税の資金洗浄が横行したことから、マネーロンダリング防止のレギュレーションが各国の銀行で非常に厳しくなっています。

特にHSBCは犯罪収益とわかっていながら、海外送金手続きを行ったことが明るみに出たりなど、各国で制裁を受けたことにより、口座開設審査を厳しくしたり、口座情報アップデートの頻度を上げたりするなど、既存顧客にそのしわ寄せがくることも少なくありません。

日本から外国への送金審査も非常に厳しくなっており、現金を銀行に持ち込んでの海外送金手続きなどはまず受理されませんし、送金理由や資金の出所を細かく担当者から聞かれます。また199万円以上の海外送金は日銀報告が必要になるため、さらに審査が厳しくなる傾向があります。

AMLが厳しくなったことにより、実際にはマネーロンダリングではない正当な送金であったとしても、疑いがあるだけで口座凍結処置がなされてしまう場合も少なくありません。例えばAさんから500万円の入金があったとして、同日にBさんに500万円の送金を行うといった手続きをすると、マネーロンダリングの疑惑がかかり、口座凍結されてしまうことが多々あります。