HSBC株、25年ぶり安値に

香港に上場する英金融大手HSBCホールディングスの株価が急落している。22日の終値は25年ぶりの安値となった前日終値からさらに2.1%下げた。犯罪が絡む資金の移転に関与したことを示す米政府報告書の報道や、中国政府が外資の投資などを制限する「ブラックリスト」に組み入れる可能性が報じられたことが引き金だ。香港を代表する有力銀行株の動向は、対立を深める米中両国の制裁の応酬とも絡み、市場に不安感を広げている。

HSBC株は22日、前日比2.1%安の28.7HKドル(約390円)で取引を終えた。1995年5月以降で最安値となった21日の終値(29.3HKドル)を終日下回った。株価急落の要因になったのは、国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)が報じたHSBCに絡む犯罪関連資金の移転疑惑だ。

22日付香港各紙によると、HSBCは米国当局が調査中と知りながら、詐欺行為で得られた資金8,000万米ドル(約83億6,500万円)のうち、約3,060万米ドルを米国から香港に移転させていたという。報道は、マネーロンダリング(資金洗浄)など金融犯罪に関連する疑いがある不審な海外送金として、金融機関から米財務省の資金情報機関「金融犯罪取締ネットワーク(フィンセン)」に寄せられた報告に基づく内容。

HSBCは12年にマネーロンダリング対策の不備で米当局に約19億米ドルを支払うことで合意していた。同行は「12年以降、金融犯罪への対処能力を強化してきた。当時より安全な金融機関になった」と説明した。ICIJの報道によると、HSBCや英金融大手スタンダード・チャータードなど世界の大手銀行が1999~2017年にかけて関わった「疑わしい取引」は総額約2兆米ドルに上ったという。

以上、共同通信より。

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