American dollar, money & banking

アメリカの銀行預金を放置すると・・・

アメリカには多くの日本企業が支店や子会社、グループ会社を出しているため、多くのビジネスマンが海外赴任しています。また留学生もたくさんいますし、国際結婚してアメリカに在住している方もいらっしゃいます。

赴任終了、大学や大学院、専門学校の卒業、離婚、引越しなどいろいろな理由で帰国した方もたくさんいらっしゃるわけですが、帰国の際に銀行口座と預金をそのままにしているケースが大多数です。

アメリカの銀行の方が日本よりもペイオフ(万が一銀行が破綻した時に預金が一定額保証される制度)により保護される金額も大きいですし、そもそもの与信もアメリカの銀行の方が高く、通貨としてのドルの安定感、金利など、様々な観点からみてもアメリカの銀行に預金をしておく方が有利ですし、ATMカードを利用して日本のATMで出金もできれば、デビットカードやクレジットカードを利用してお買い物をすることもできます。ネットバンクにログインして残高照会や海外送金手続までできてしまいますので、当然のことではないかと思います。

4大銀行と言われるCitibank、Bank of America、Chase Bank、Wells Fargoをご利用されている方が大多数です。

ただ問題なのは、帰国後に銀行口座も預金も放置してしまいがちなところです。アメリカに限らず、海外の銀行は1年~2年以上、口座利用がないと顧客資産保護の名目で口座凍結処置がされてしまいます。日本の銀行は10年なので、日本の感覚でいるとあっという間に凍結されてしまいます。

よく見受けられるのはネットバンクにログインして自身の口座内でたとえばCurrent→Savingに定期的に動かしている人がいますが、これは取引にカウントされません。あくまで口座から外に資金が出ないといけないため、ATM出金かカード決済、ネットバンクで誰かに送金をする必要があります。またネットバンクの利用だけだと、口座凍結はされなくてもカードのみ凍結されることもあるので注意が必要です。

口座凍結期間が長いと今度は口座は自動的に閉じられて、預金は州政府の方に移管され、公共事業などのために運用に回されることになります。

ただ安心してください。口座が凍結されても、口座が解約されても、州政府に移管されていても、返還請求手続を行えば預金はお手元に戻すことが可能です。