英国系銀行について
日本人に馴染みのある英国系銀行は、HSBC、Standard Chartered Bank、Barclays、Natwestといった銀行かと思います。実はこれらの銀行は設立の背景を調べてみると面白い点が浮かびあがってきます。
HSBCのHはHong Kong、SはShanghaiで香港上海銀行(ちなみにBはBanking、CはCorporationになります)、その名の通り、香港と上海を拠点につくられた銀行であり、歴史を紐解くとアヘンで得た収益を英国に送金するためにつくられた銀行です。
現在でも脱税した資金や犯罪収益をマネーロンダリングしたという理由で各国で制裁を受けていますが、設立当初の目的を考慮すると、儲かるならグレーなことも行うという社風が今でも続いているのかもしれません。
Standard Chartered Bankは旧英国系のアフリカ諸国、インドに強い銀行であり、植民地時代に現地で得た収益を英国に送金するためにつくられた銀行ですが、現在はとてもレギュレーションが厳しくなっています。
Barclaysはカナダやオーストラリア、英国系のオフショアであるマン島、ジャージー島、BVI(British Virgin Island)といった旧植民でもランクの高い国を中心にネットワークを広げてきたようです。
そしてNatwestは英国国内に強く、RBS(The Royal Bank of Scotland)は英国内でもその名の通りスコットランドを中心に展開している銀行となっています。
これらの歴史的背景は現在でも少なからず各銀行の社風に影響を与えているのではないかと思います。というのも口座開設や口座凍結解除、海外送金といった手続きの審査はHSBC→Standard Chartered Bank→Barclays→Natwestという順に厳しくなる傾向があります。